橋本病と私

6.薬と共に歩む日々、穏やかな変化

体と心の両面から治療を始める決意をした私。

チラーヂンSとレクサプロ、二種類の薬との日々が始まりました。


まず、チラーヂンS。甲状腺機能低下症の治療薬です。

最初は25\mu gという少量から服用を開始。

甲状腺機能低下症と薬。穏やかな日々へ少しずつ量を増やし、75\mu gになったのは、ずいぶん後のことでした。

体が楽になる兆しを感じるまで、かなりの時間を要しました。

一年ほどかけて、ようやく倦怠感やだるさが軽減され、日常を穏やかに過ごせる感覚が戻ってきました。

その間、「本当に良くなるのだろうか」という不安を抱えながら、根気強く服用を続けました。

体調が安定するまでに一般的な目安よりも時間がかかったのですが、後から、このようなケースも決して珍しくないと知ったのです。

当時の私を覆っていた、抑うつ状態、倦怠感、頭がはっきりしない意識。

それがあまりにも強かったため、チラーヂンSによる副作用を意識することはほとんどありませんでした。


一方で、心の状態を整えるレクサプロ。

こちらは、比較的早い段階で効果を実感できたように思います。

飲み始めて3ヶ月ほどで、抑うつ状態が劇的に改善され、心が穏やかになっていくのをはっきりと感じました。

以前はあんなにも苦しかった、思考がまとまらない日々が、徐々に和らいでいきました。

薬が、私に本来の心の平穏を取り戻してくれる。

そのことに、深い安堵を覚えました。


お薬を服用し始めて、気がつけばもう3年が過ぎました。

ようやく、あの頃の自分を、少し離れたところから振り返る余裕ができてきました。

毎日が穏やかであることに、心から感謝する日々です。


とはいえ、病と共にある現実は、常に完璧ではありません。

体がだるくて、どうしても動けない日。

気分が落ち込み、物事を前向きにとらえられない日も、まだまだあります。

そんな日は、完璧にこなせない自分にがっかりすることもありますが、それも今の私の一部として、少しずつ受け入れられるようにもなりました。

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