「甲状腺機能低下症」。
内科の先生から告げられた、初めて聞くその病名。
私の頭の中は真っ白になるようでした。
一体何が起こったのだろう、どんな病気なのだろうと。
不安が押し寄せ、すぐにスマートフォンで情報を調べていました。
『橋本病』
『甲状腺機能低下症』
次々と表示される情報に、さらに心がざわついていくのを感じました。
太る、むくむ、認知症になりやすい、動きが遅くなる……
中には、「放っておくと命に関わる」といった恐ろしい言葉まで。
情報があふれる中で、不安はますます募り、どうしたら良いのか分からなくなっていくのでした。
その頃、私たちは結婚を考えていました。
こんな病気にかかってしまったら、夫に迷惑をかけてしまうのではないか。
これから先の未来が、急に暗く閉ざされるような気がして、押し寄せる不安に、ただただ押しつぶされそうになっていたのです。
そう悩みに悩み、考えに考えた末に、その気持ちを正直に夫に打ち明けました。
すると夫は、何も言わずにただそっと私を抱きしめてくれたのです。
その温かい腕の中で、張りつめていた心が少しずつ緩んでいくのを感じました。
しばらくして、私が落ち着きを取り戻した頃、夫は静かにこう言ってくれました。
「この不調が病気のせいだとわかったのは、いいことだよ。だって、これからどうすればいいか、解決策を見つけられるから。」
その言葉は、私にとって暗闇の中に差した一筋の光となりました。
「これからは一人じゃないんだから、安心していい。一緒にいて、助け合っていこう。」
夫のその力強く、そして優しい言葉に、心の底から救われました。
不安で押しつぶされそうだった心に、再び前を向く勇気をくれたのです。
病の知らせを受け、未来への戸惑いを感じる私に、夫の存在は確かな心の拠り所をもたらしてくれました。
ようやく巡り合った、信頼できる主治医。
私の体と心の声に耳を傾け、共に歩む医師との出会いは、確かな希望へと繋がりました。
